本 の 紹 介


ふしぎなキリスト教 橋爪大三郎・大澤真幸 著
講談社現代新書  840円



 日本人の誰もがキリスト教を知っており、そのお祭りもそれなりに祝ってきています。しかし、信者かというと信者はまずいないし、世界史の授業で勉強した程度の知識しか持ち合わせがないのが現状でしょう。外国の小説や絵画を見るときキリスト教が分からなければ理解できないとして聖書を読んでいる人は少なくはないとしても改めてキリスト教を勉強する人はまれでしょう。勉強しようとして本を探しても読む気が起らなくなってしまうのではないでしょうか。このあたりのことにいて、あとがきに次のように書かかれています。「「キリスト教入門」みたいな本なら、山ほど出ている。でもあんまり、役に立たない。「信仰の立場」を後ろに隠してどこか押しつけがましく、でもにこにこ語りかける。さもなければ、聖書学あたりの知識を、これならわかるかねと上から目線で教えをたれる。人びとが知りたい、いちばん肝心なところが書かれていない。根本的な疑問ほど、するりと避けられてしまっている。」と。確かにその通りでした。抹香臭さが嫌でこうした本は遠ざけてきていましたがこの本はそうしたところもなく客観的によくまとまった内容になっています。ただ信者さんにとってはあまりいい感じが持てないかもしれません。
 著者2名が質問者と回答者に分かれるという形式の対談で、第1部一神教を理解する―起源としてのユダヤ教、第2部イエス・キリストとはなにか、第3部いかに「西洋」をつくったか、の三部構成でキリスト教が解説されています。