本 の 紹 介


ザ・ライト 〜エクソシストの真実 マット・バグリオ 著
小学館文庫  800円


 これと同名の映画が上映されているのでその原作本と分かると思います。ライトとは明かりのLIGHTではなく“RITE”と綴り儀式を意味しています。要するに悪魔祓いの儀式です。この時代に悪魔祓いなどと一蹴してしまうのもいいとしても悪魔や悪霊に祟られることは現実にあるようです。前号のウサギの絵のぐい呑を造られた土平さんも土を取りに行って原因不明の病気にかかったといいます。唐津周辺でいう末孫(ばっそん)さんの祟りです。これ専門のお払いをする人もいると聞きますし、この祟りに触れたという話は多いようです。エクソシストにしてもバチカンの中にも実在しており、神様の存在を信じれは悪魔もいなければ辻褄が合わないでしょうし、今生きているこの世界について私達は十分知っているわけでもないし、この世とあの世など霊的な世界のことは知る由もありません。霊が見えるという人もいますし・・。こうした話は教会の中でも否定する人もいますが、この本のような現実があるのも事実のようですし、それを面白がるのも気休めとしても楽しいことではないでしょうか。
 この本は映画の原作ということで小説かと思っていましたが実在のエクソシストに取材したノンフィクションでした。カトリックには悪魔祓いは正式な秘蹟として位置づけられています。当然イエス自身が沢山の悪魔祓いをしていますし、その点を捉えて巡回霊能力者として位置づけている神学者もいます。宗教からこうした要素を取り去ったら何も残らないのかもしれません。悪魔は神に人間の非を告発する存在であり、人間にとっては自分の非を突きつけられることによって精神的な不安定さをもたらせられます。そうしたに人間にとって「実のところ、エクソシズムとは旅に似ているんだ、とグラモラッツ神父は説く。その旅の、”霊的リーダー”がエクソシストであって、彼は祈りと秘蹟を通して請願者が、“神の恩寵を再発見する”手助けをする」とエクソシストは言っています。精神的に不安定な人へのカウンセリングとしての機能が重要な側面かもしれません。しかし、悪魔に取り付かれ、もだえ狂い、緑の液体や釘を吐き出す話は面白いのでこうした面からエクソシストに関心を持ってもいいのではないでしょうか。これと対極にある天使の話では真面目すぎて面白くないので取上げられることが少ないのかもしれませんが、そうは言っても亡くなる前天使が現れるという話も聴いたことがあります。伊坂幸太郎の「死神の精度」のような死神なら楽しいかもしれないので遊びに来てもらうのも楽しいかもしれません。