本 の 紹 介


@ 浮世絵                        大久保純一著   岩波新書 1,000円
A 浮世絵は語る こんなに面白い名画の考証入門  浅野秀剛著 講談社現代新書 860円


 少し前ひょんなことから浮世絵に関心を持ちヤフーのオークションで眺めていると、流通価格はよく分からないものの、以外に安いとの感じを持ちました。また作成された時代により様々な特色があります。特に、明治時代のものは、やきものも同じで文明開化の図柄が沢山見られます。また江戸時代の浮世絵には作者、版元、摺師の印とともに検閲の印も刷られています。そうしたものに関心を持つと作成された時代も推測できますし、その時代の好みも感じ取ることが出来ます。美人画、風景画、戯画や歌舞伎の一場面などそれぞれ謂れがありますし、3枚一組でその状況を描いているものも少なくはないようです。
 写楽の作者は誰かを巡っての問題もあります。邪馬台国論争と同じで素人も参入できる楽しさもあります。しかし何故短期間しか活動しなかったのかの方に関心があります。その理由は、美しい女優さんの素顔やデフォルメされた顔のプロマイドを私達が買わないのと同じ理由のようです。美しく描かれているから買う・・。
 ここに挙げた@の「浮世絵」は浮世絵の世界の見取り図として要領よくまとめられており、図版も全てカラーで収められているため見るだけでも楽しめますし、読みやすく書かれています。Aの「浮世絵は語る」の方はどのように浮世絵を研究するかの方法論を紹介したもので、必ずしも一般的ではありませんが、当時の史料から読み解いていく過程を知ると黄表紙や歌舞伎の知識また歴史や政治との関連が分かり面白い内容を持っています。