本 の 紹 介

1.ぼくは猟師になった 千松 真也 著  リトルモア  1600円



 先日本屋さんでブラブラと眺めているうちに目に留まった本でした。著者は罠でイノシシやシカ猟を行い、自分で捌いて、自分の食料を調達していると述べています。イノシシのシャブシャブに嵌まってその美味しさを思いながらどのような経過で自分の胃袋に納まっていくのかを知りたいという気持ちもありました。美味しい食料とするためには、罠で捕らえ、棍棒で殴り殺し、即座に腹を割いて内臓を取り、血抜きをしなければならず、それぞれの段階での処理が後れればまずくなってしまうとのことです。以前味噌仕立ての牡丹鍋を食べたときに旨いと思わなかったのは鉄砲で仕留められたり、適切な処理がなされていないためだと納得できました。
 罠にかけ、殴り殺すという行為に残酷さを感じますが、人間が生きていくためには当然のことかもしれません。他の動植物の命を食べて生きていくのが人間、というよりは食物連鎖の一環で当然のことですが、著者は罠猟で動物を殺すことを通じて命の大切さを感じています。自然界の掟といってもいいのかもしれません。他の命を奪いながら自分もまた自然に死んでいくのが動物としての人間のサダメだと実感させられます。
 猟師のなり方、写真によるシカやイノシシの捌き方、料理のレシピなども紹介されていますので誰か猟師になってもらいたいものです。昨日、夜の講座が終わっての帰り道、店じまいを済ませて帰宅途中の深山(いのしし専門店) の方に偶然会い、コーヒーを飲みながら暫らく話しをしたのは、イノシシさんからの「長く来ていないから早く食べに来い。」とのメッセージかもしれません。美味しいですよ。イノシシのシャブシャブ。