本の紹介


1.外国人研修生・時給300円の労働者・壊れる人権と労働基準
         外国人研修生問題ネットワーク編  明石書店   1600円

2.フィリピン女性エンタテイナーのライフストーリー
         武田 丈 編著  関西学院大学出版会       2100円

 労働問題については「肩書きだけの管理職」、「格差社会」など沢山の本で取り上げられそれなりに理解することが出来ます。しかし、外国人の問題になると、新聞等ではたびたび報道されても、まとまった解説をしている本が見つかりません。また、外国人労働者に関する問題を見るとき在留資格という耳慣れない言葉に戸惑わざるを得ません。在留資格の中でも、「研修生・実習生」、「興行」の在留資格の労働者は、送り出し機関、受け入れ機関そして企業といずれの段階でも多くの問題が発生しています。ここにあげた二つの本が大いに参考に鳴戸いえます。「技術」や「技能」また「日本人の配偶者」そして「留学」という在留資格で働く人たちについては人権問題とのからみが少ない分あまり取り上げられないのではないでしょうか。
 「1.外国人研修生」は、8件の実例と多数の相談カードによる事例の紹介とともに研修制度の解説・提言そして資料等から構成されており、研修・実習制度を隠れ蓑にした奴隷労働の実態が報告されています。ここに報告されているものは例外的なものではなく氷山の一角であり増えてきているのが現実だといえます。ちなみに入局管理局の調査によると、不正行為のあった企業数(企業の直接受入を除く)は平成17年が158社、平成18年は90社、平成19年は404社と大きく伸びてきています。
 「2.フィリピン女性エンタテイナーのライフストーリー」は、「フィリピンでのリクルートと送り出し」、「日本でのオンターテイナーとしての生活」、「日本での定住者としての生活」そして「フィリピンへの帰国後の生活」の4部構成で、それぞれ2〜3篇の「ライフストーリー」と「実態と問題点の解説」で構成されています。またそれぞれで支援に係わる民間組織の活動も報告されており、これらの組織の活動はHPで知ることが出来大いに参考になると思います。