本の紹介


1.ワインをめぐる小さな冒険  柴田光滋 著  新潮新書  680 円

 ワインに関する本はプロのソムリエ、研究者、醸造に従事している人またワイン好きが書いたものなど沢山あります。ワイン好きの書いたものには、面白い本が少ないのが現実です。趣味の世界、嗜好の世界のことですから、人それぞれの思いばかり押し付けがましく書いているからかもしれません。以前紹介した「ワインと外交」などのように独特の切り口を見せてくれる本はなかなかありません。今回紹介した本はそうしたワイン好きの書いたものですが、ワインにそれなりの関心を持って飲んでこられた方にも、あまり知識がない方にとっても楽しめると思います。ワインの入門書や解説書の類ではなく、著者のワインに対する思い入れ、これまで飲み続けてきた記録を綴ったエッセーです。個人的な思い入れから書かれているからこそ面白いといえます。文章も軽妙で気楽に読むことが出来ます。ワインについては何かしら難しい決まりごとがあるように思われますが、著者の日々のワイン遍歴にあるように、ワインが好きであればそれでいいのではないでしょうか。ワインを飲める居酒屋さんを探すのもいいし、安いワインを探し回るのも楽しみの一つです。そうしているうちに自分流のワインの飲み方というものが出来てきます。ただ、こうした本に出てくるワインを地方で探そうとなるとまず不可能に近いのが残念です。ワインの入門書を読みたいと思われる方には、映画監督の羽仁進さんの「ぼくのワインストーリー」が最高だと思います。本当に楽しく読める本です。今は中公文庫に入っており、アマゾンに1円で多数出ています。