本の紹介


1.人材空洞化を越える    日経ビジネス編   日本経済新聞出版社  1575円

 バブルの崩壊に伴い日本の企業風土は大きく変わってきました。終身雇用制度や年功序列賃金制度は時代遅れとされ、成果主義が声高に叫ばれてきました。それと呼応して、競争に勝ち抜くため中国や東南アジアの安い労働力に頼る一方、即戦力として中途採用、低賃金労働者として派遣社員等の非正規社員の活用などが一般的となってきました。
 総務省の2006年の労働力調査では、労働者の33%が非正規雇用労働者だったと報告しています。単純に行ってしまえば、会社の中の3人に一人が正社員以外の者となります。また団塊の世代の定年、当面は定年延長等で頭数だけは賄えるとしても、バブル以降の新卒採用減による社員の年齢構成上のアンバランスもあります。一方、ステップアップの手段として、また将来独立を視野に入れて会社を探す人も増えています。雇用機会均等法の施行により女性を登用する制度を導入しながらもうまく行かず再検討している企業も多くあるようです。偽装請負問題などから正社員化も進んできています。当然、企業にはその企業独特の風土があります。企業風土を今の時代にあったように受け継ぎ、変革していくか、バブル崩壊時のリストラとは異なった意味でのリストラクチャリングが必要な時代になってのではないかと思います。そうしたことを人材空洞化としていろいろな局面から取材しています。
 企業での取り組みとして大いに参考になりますが、物の考え方、取り組み方を考える上でも良い参考になると思います。