本の紹介

1.幻の明治伊万里「悲劇の精磁会社」 蒲池孝典著  日本経済新聞社 3200円
                       

 やきものに関心がある人の話題に上るのは、まず、陶芸作家の作品、また古伊万里などの古いものについてではないでしょうか。明治時代のやきものについては、印判手に関心を持ったれる方は多いと思います。しかし、印判手以外のやきものとなると意外と関心が無いのではないでしょうか。私自身、万国博覧会に出品されたものの写真はいくつか目にしたことがありますが、古伊万里と比較し一段も二段も下のものとしての認識しかありませんでした。この本を読んで、というか沢山掲載されている写真を見て、古伊万里にない、ヨ−ロッパの技術等を取り入れ、洗練された美しさを目の当たりにして認識を改めました。
 伊万里焼の最高の技術者を結集し、伝統的な伊万里焼の技法に西洋の技術を取り入れ、大きな足跡を残しながらも蹉跌せざるを得なかった「精磁会社」へのレクイエムであり、明治伊万里を再認識させてくれます。