本 の 紹 介

魂を揺さぶる歌に出会う〜アメリカ黒人文化のルーツへ 祥伝社新書459 820円      ウェルズ恵子 著

    アメリカを歌で知る                      岩波ジュニア新書766 820円     ウェルズ恵子 著

 「私たちの周りには様々なジャンルの音楽があふれています。中でもアメリカの音楽はジャズやブルースまたカントリー系などアメリカの歴史の進展に従い一つの音楽が様々なジャンルの音楽に発展してきています。フロンティアが西に推し進められる過程での西部の音楽、南部の山岳地帯を中心に発展した音楽また南部の黒人奴隷を中心に発展したものなどそれぞれがその地域やグループの生活を反映して発展してきています。
 中でもアフリカから連れてこられた黒人奴隷とキリスト教が合体して発展したニグロ・スビリチュアル・ソングは私たちの心の底に呼びかけてくる独特な響きがあります。しかしメロディーに心を惹かれるだけで歌われている内容への関心は薄いのではないでしょうか。いざ歌詞を読もうとしても黒人独特の表現方法もあり、なかなか理解することが難しいところもあります。これらの歌詞を通して歌の意味やそれらが歌われた社会的背景等について学んでみませんか。」
 以上は現在進行中の企画「ニグロ・スビリチュアル・ソングの世界 〜 Underground Railroadをご存知ですか」の案内文です。こうしたことから上記2冊を読んでみました。カントリーやブルーグラスが好きなためなじみのある曲が紹介されていてもその内容の意味するところは初め知ることも少なくありませんでした。黒人神学を打ち立てたJHコーンは「十字架とリンチの木」の中で、リンチで殺され、木からぶら下がっている黒人たちを、「再び十字架につけられたとイエス」として捉えて今でも繰り返しイエスは十字架につけられていると言っています。こうした視点は虐げられた人たちすべてに通じることと思います。軽い気持ちで思い立った企画ですが、1939年から命を懸けて歌い続けたビリー・ホリデーの「Strange Fruit」を始点として遡っていくつかのニグロ・スビリチュアル・ソングの歌詞からその背景と信仰等について話をしてもらおうと思っています。