本の紹介

1.刀狩り〜武器を封印した民衆
藤木久志著  岩波新書  780円
                       

 この本は、歴史の専門家のみならず私たちの思い込みを打ち破ったものといえ、一息に読み終えました。刀狩りといえば豊臣秀吉、その結果、武士以外は刀をはじめ武器を全て奪われ、映画などで見られるように百姓が一揆を起しても鋤や鍬などの農具を武器として手に持って立ち上がらざるを得なかったと認識しか有りませんでしたが、それは全くの間違いで、武士以外のものも刀や槍を持っており、農民たちは鉄砲さえ持っていたにもかかわらず、一揆にはそれらを使用しないル−ルがあった。支配する大名側も一揆に対して鉄砲を使用しないとのル−ルがあったと報告しています。刀狩りは名目上の刀狩りであつて、その目的は武士とそれ以外の身分秩序を確立するためのものでは武士以外の佩刀を禁止するものであった。しかも、刀を腰に帯びる行為は身分を問わず成人への通過儀礼であり、祭礼等の場合の正装として認められていたため、全ての刀を没収したのではなく、必要な刀は没収しなかったし、槍、弓また鉄砲は没収の対象となっておらず、鉄砲など凄まじい数が村々に存在していたと報告しています。
 またわが国には、秀吉の刀狩りをはじめ、明治の廃刀令そしてマッカ−サ−による刀狩りと三回あったとしてそれぞれに言及しています。