本 の 紹 介

移住者と共に生きる教会 谷 大二ほか共著 女子パウロ会 1,100円
日本とフィリピンを生きるこどもたち 野口和恵著 あけび書房 1,400円

 日本に暮らす外国人の抱える問題には様々なものがあります。私自身が受ける相談も労働問題が中心でありながらも、いろいろな相談がくるため断片的な知識が集積されていきます。しかし外国人が抱える問題を総合的に理解するには至りません。こうした問題を纏めた手ごろな本も意外と少ないのですが、「移住者と共に生きる教会」はカトリックさいたま教区が立ち上げている「オープンハウス」の活動を中心に様々な問題が読みやすい内容で報告されています。少し驚いたのが、さいたま教区、横浜教区、名古屋教区と京都教区は外国人信徒数が日本人信徒数の数倍存在するというデータ(2006年)でした。広島教区は半々程度。また、さいたま教区のオープンハウスがフィリピン人から受けた相談内容(2004年から2007年の約千件)の分析結果を見ると、入管関係47%、婚姻関係21%、法律関係12%、医療関係11%、子ども関係7%、労働関係2%となっています。労働関係の相談が少ないのは意外な感じもします。個人的な感触ですが、教会に来る人はごく一部で、しかも生活の安定した人達であることを考えると納得できますが、教会に来ない大多数をどうするか、また前記の4教区以外ではこうした取り組みが遅れている現状にどう取り組むかが大きな課題として残っています。
 「日本とフィリピンを生きるこどもたち」は俗にJFC=ジャパニ−ズ・フィリピノ・チルドレンと呼ばれるグループの問題です。言葉としてはダブルとかハーフとか言われる子供たちを指していますが、「JFC問題」と括ってしまうとこの言葉を使う人やグループによって内容が異なっているためややこしいところがあります。この本は、日本で生まれ育ったJFCの問題ではなく、フィリピンに残された日本人に認知されていない子供たちの問題を紹介しています。今年の初めから認知の裁判で来日した親子に関係したことからフィリピンに残されたJFCの抱えるさまざまな問題が理解で