本 の 紹 介

居酒屋ぼったくり

秋川滝美 著 アルファポリス  1,200円


 毎日、仕事を終わって帰宅時間になると夕食は何を造ろうかと考え憂鬱な気分になってしまいます。乏しいメニューを積極的に増やそうと言った気持はないながらもお酒や食べ物の本を読むのが好きで読んでいても手の込んだ料理やレアなお酒であったり普段飲みには使えないお酒であったりします。薀蓄の類は、それはそれでいいとしてもごく日常的な物を紹介してほしいと思ってしまいます、
 幸いこの本に出てくる料理もお酒も庶民的ものばかりで好感が持てます。そうはいってもお酒だけは安価なものとは言っても近場ではなかなか手に入りにくいのは仕方がないと言わざるを得ません。この本は、料理や酒を紹介したものではなく、「居酒屋ぼったくり」の若い女主人とその妹そしてそこに集まるお客さんのやり取りの中に様々なお酒や料理が出てくる小説ですが、薀蓄を語るようなものでもなく、居酒屋を舞台にした出来事を綴った軽い読み物です。読んでいるうちに食べてみたくなる料理があったり、知らない酒蔵のお酒が出てきたりと楽しむことができますのでついつい一気読みしてしまいました。何が書いてあったかはすぐ忘れてしまいますが、関心のあったお酒と料理だけは頭の隅に引っかかっています。料理では、卵黄の味噌漬けやそうめんとチーズを混ぜ合わせてカリカリに焼き上げたものやそうめんを使ったチヂミなどは簡単にできるはずですが我が家には卵しかないのでお味噌からオリーブオイルなど買いそろえなければとなると何時のことになるやら見当もつきません。出てくるお酒は純米酒や普通酒あたりのもので軽めのお酒が多いようです。しっかりしたお酒が好きなので今一つかとは思いながらもついつい探してしまいます。「純米酒以外日本酒ではない」と凝り固まって美味しい本醸造や普通酒を切り捨ててしまうのももったいない話です。この本にはこのあたりのお酒が出てくるので好感が持てますが、あくまでも主はストーリーの方にあります。軽い読み物です。