本の紹介

1.国家の罠 佐 藤  優 著 新潮社   1600円
                    

 著者は鈴木宗男事件に巻き込まれたロシア通の外交官が、この政治的な罠に追い込まれた顛末を報告しています。当然新聞では報道されない外交の舞台裏の様子などが細かく報告されると同時に、この事件が国策捜査として行われている様子を生々しく描いています。担当の検事は「これは国策捜査なんだから、あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。国策捜査は『時代のけじめ』をつけるために必要なんです。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」さらに、「アクセルとブレ−キは案外近くにあるような感じがする。今回の国策捜査は異常な熱気で始まったが、その終わり方も尋常じゃなかった。ものすごい力が働いた。はじめの力と終わりの力は君が言うように一緒のところにあるかもしれない」これに対し佐藤氏は「西村さん、僕にもそんな感じがする。体制内の政治事件だからね。徹底的に追求すると日本の国家システム自体がこわれてしまう」と言っています。

 真相は薮の中としても華々しい国際外交の裏でこうした専門家が大きな役割を果たしている様子を知ることが出来ます。