本 の 紹 介


ブラック企業 〜 日本を食いつぶす妖怪
今 野 晴 貴 著 文春新書 809円


 ブラック企業という言葉は、よく聞いていましたが、たまたま家にこの本があったので読んでみました。この本に紹介されている例は法律に抵触するかどうかのあたりで役に立たなくなった従業員を飴とムチを持って自主的な退職に追い込もうとしたり、長期の勤務は想定せず、無茶な時間外労働をさせ、休日も与えずに使い捨てのコマとして従業員を採用しているような会社の事例が報告されています。会社の名前こそ出ていないのですが私たちがよく知っている会社がいくつも出ているとのことです。
 こうした会社が出てくる背景には、派遣や契約社員といった非正規労働者の増加と、それに併せて終身雇用とか年功序列といった制度が崩壊していく過程でのあだ花なのでしょうか。派遣社員や契約社員などの非正規社員は今後増え続けても減少することは無いでしょうし、同時に外国人労働者がこの中に参入して一大勢力を占めるようになると考えられます。こうした将来的な問題は別にして、この本で実際に行われていることは経営者寄りの弁護士や社労士が指導しているとも書かれています。本屋さんにいくとそうした本が目につきます。あくどさ、方法論は別としても、そうした方向に進まざるを得ないのが現実かもしれません。企業にとっては新しい雇用形態・賃金制度の模索が必要であり、労働者にとってはそうした社会の動きに併せた考え方ができるように頭を切り替えなければ生き残れない時代になったのかもしれません。
 コンピュータソフト開発等の会社では中年以上はリストラの対象になるとも聞いています。国が進めている定年延長の施策に反して早期退職に向けた制度の導入が進むのではないでしょうか。こうした動きに対して労働者は、賃金が低下しても会社にしがみつくか、それとも能力開発に努め転職や独立が正常な状態ととらえることが出来なければ生きてはいけないのではないしょうか。