本の紹介


1.となり町戦争 三 崎 亜 記 著 集英社   1400円
2.国 防 石 破  茂  著 新潮社   1300円
                    

 今回紹介する本は、戦争をテ−マにしたものです。戦争はあってはならないことですが、人間の本質は常に敵を設定することによって生きてきたといってもいいかもしれません。古代ギリシアで.民主制が行われたといってもごく一部の市民の中についての話でした。今もイラクが戦争下にありますが、私たちは新聞やテレビで他人事としてなんら実感を伴なってはいないと思います。また、北朝鮮のミサイルが日本を狙っていても、同じように特別な危機感・不安感を感じないのは私だけでしょうか。島国で、他国の侵略、国境紛争を切実に感じてこなかったからかも知れません。ただ一度だけ国境の問題を感じたことがあります。それは、北海道に旅行し、羅臼で海の向こうに見える島は外国で、こことの中間に国境があり漁船が拿捕されていると聞いたときでした。しかし、そこを離れればもとの平和な生活?に戻ってしまいました。  「となり町戦争」はそうした意識を、自分の住んでいる町ととなり町が戦争を始め、それも人目に触れない形で進行していながら、戦死者は確実に発生しているとの状況を描いています。一般的な日本人の戦争に対する感情を表しているのではないかと思えます。一歩踏み込んで考えると何かしら恐ろしさを感じざるを得ませんでした。  「国防」は、前防衛庁長官が著者ですが、右よりでもなく、左よりでもなく当たり前のことが当たり前に述べられているのではないかといえます。そうした意味では勉強されている方には食い足らないかとは思いますが、国防や自衛隊のことなど考えたことも無い者にとっては、初めて知ることばかりでしたし、憲法改正も視野に入ってきた時代となってきましたので、国防・自衛隊について考えていくうえでの参考にして見られてはどうでしょうか。